キャッシュ・セキュアード・プットとは?メリットや取扱い証券会社について徹底解説

この記事を読んでいるあなたは、

  • キャッシュ・セキュアード・プットってなに?
  • キャッシュ・セキュアード・プットのやり方は?
  • キャッシュ・セキュアード・プットができる証券会社は?

上記のように考えているかもしれません。

今回は、そんなあなたに向けて「キャッシュ・セキュアード・プットとは何かやそのやり方などをわかりやすくお伝えしていきます。

キャッシュ・セキュアード・プットとは

キャッシュ・セキュアード・プットとは、プットを売ってプレミアムを受け取ると同時に権利行使された場合に備え、原資産である株式を買うための現金を用意しておくというオプション戦略です。

「現金確保プット売り」や「ターゲット・バイイング」とも呼ばれています。

キャッシュセキュアードプット= プットの売り(プレミアムGET) 株の購入代金の用意
プットの売りやオプション取引について分からない方はこちらの記事を参照ください。
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キャッシュ・セキュアード・プットのやり方

キャッシュ・セキュアード・プットについてなんとなく分かっていただけたとおもいますので、下の図表を見ながら実践の仕方について詳しく解説していきます。

まず、取引開始時に「もう少し株価が下がれば買ってもいいな」と思える株の購入代金をオプション口座内に準備して、その株のプット・オプションを売り建てます。

満期日を迎えると必ずプレミアムを受け取ることができますが、その後の対応は2パターンに分かれます。

  • 満期日に株価が権利行使価格を上回った場合

対象銘柄を購入することなく取引が終了。プレミアムのみを受け取ることができます。

  • 満期日に株価が権利行使価格を下回った場合

準備していた購入代金で対象銘柄を権利行使価格で購入します。
このとき、株価が大きく下落していた場合でも権利行使価格で購入する必要があるので、損失が大きくなる可能性があります。ボラティリティが大きい株には向かない戦略と言えます。

キャッシュ・セキュアード・プットの活用場面

・現在よりも安い株価で購入したい(かつプレミアムを得たい)
・株価があまり変動しないか若干の上昇が予想できる

キャッシュ・セキュアード・プットの例

具体的な例でキャッシュ・セキュアード・プットの取引を考えてみましょう。
以下の例は架空の取引ですのであくまでも参考までにどうぞ。

銘柄:Uber
現在株価:73ドル
権利行使価格:65ドル
エントリー日:2024年9月1日
権利行使期日:2024年11月15日
オプション価格:1.6ドル×100=160ドル
取引内容:プットの売り

今回は、UberタクシーやUberイーツで有名なUberを取引対象としてみました。

直近の2回の下落時の反発ライン近く65ドルを権利行使価格として、約2ヶ月半後が権利行使期日のプットオプションを売り建てます。

【結果パターン1】

Uberの株価は70ドルとなり、権利行使価格を上回って終わりました。
株を購入せず、プレミアムである160ドル(1.6ドル×100)を受け取り取引終了です。

【結果パターン2】

Uberの株価は60ドルとなり、権利行使価格を下回って終わりました。
パターン1と同様にプレミアムである160ドル(1.6ドル×100)を受け取ることができます。
ただし、権利行使価格を下回っているため、権利行使価格の65ドル×100株=6500ドルでUber株を買い取る必要があります。
つまり、6000ドル-6500ドル=-500ドルの含み損が発生します。
すぐに決済しても6000ドル+160ドル)-6500ドル=340ドルの損失で取引終了です。

キャッシュ・セキュアード・プットは危険?難易度は?

確かにオプションの売りは、原資産の下落による損失が無限大であるため危険とされています。

しかし、キャッシュ・セキュアード・プットではプットオプションの売りと共に株式の購入資金を用意しておくため、原資産価格が下落して権利行使されてしまっても資金不足になることはありません。また、割高にはなるものの株式も手に入ります。

そのため、キャッシュ・セキュアード・プットは、運用方法を理解すれば危険ではないと言えるでしょう。

moomoo証券やe-trade証券会社など米国の証券会社では、キャッシュ・セキュアード・プットが一番リスクが低く難易度も低い戦略として紹介されています。

難易度が低いということは比較的危険性も低いと考えられるため、この戦略を過度に恐れる必要はないと思います。

キャッシュ・セキュアード・プットは難易度Level1
引用:moomoo証券

キャッシュ・セキュアード・プットの「メリット・特徴」

キャッシュ・セキュアード・プットのメリット・特徴は3つあります。

  • 必ずプレミアムが得られる
  • 欲しい株が安く手に入るかもしれない
  • リスク管理がしやすい

それでは、これらのメリットについて一つ一つ詳しく解説していきます。

必ずプレミアムが得られる

キャッシュ・セキュアード・プットの最大の魅力は、オプションを売却することでプレミアム収益を得られる点です。このプレミアムは、株式が割り当てられなかった場合でも手元に残るため、安定した収益源となります。

特に、市場が横ばい又は少し下落している状況では、他の投資手法に比べて比較的低リスクでプレミアムによる安定したリターンを得ることが可能です。

これにより、リスクを抑えつつ余剰資金を効果的に活用できます。

余談ですが、キャッシュ・セキュアード・プットと同じく「オプションの売り」を活用してプレミアムを得るオプション戦略にカバード・コール戦略というものがあります。

初心者にもおすすめのオプション戦略なので、気になる方はこちらの記事もぜひ読んでみてください。

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欲しい株が安く手に入るかもしれない

キャッシュ・セキュアード・プットを用いることで、株式を現在の株価よりも安い株価で購入できる可能性があります。

具体的には、買い手によりプットオプションが行使されると、事前に設定した権利行使価格で株式を取得する義務を負いますが、この株価はオプション設定時よりも安い株価です。

その結果、割安な価格で株式を手に入れることができ、長期的な投資目的での株式取得に有利に働くことがあります。

ただし、注意しなければならないのは大きく下落した場合です。

下落が大きければ、下落後の株価よりもかなり割高な権利行使価格での株式取得となるため、デメリットの方が大きくなります。

リスク管理がしやすい

キャッシュ・セキュアード・プットは、株式の取得に必要な資金を用意した上でプットを売るので過度なレバレッジをかけず、予期しない損失を避けられるためリスク管理がしやすいです。

権利行使に応じる必要が発生し、株式を取得しなければならない状態になっても資金は既に用意しているため、損失は全て予測の範囲内で抑えることができます。

キャッシュ・セキュアード・プットの「デメリット・注意点」

キャッシュ・セキュアード・プットのデメリット・注意点は3つあります。

  • 資金が拘束されてしまう
  • プレミアムが限定的で少なめ
  • 株価下落時に大きな損失が出る可能性

それでは、これらのデメリットについて一つ一つ詳しく解説していきます。

資金の拘束されてしまう

キャッシュ・セキュアード・プットを実行する際、株式を取得するための資金を事前に確保する必要があります。

資金確保には予期せぬ損失を防げるというメリットもありますが、その反面、その資金を他の投資機会に活用することができません。

つまり、その間に良い投資機会があっても投資できなかったことで機会損失が発生する可能性が高く、機動的な資金運用を重視する投資家にとってはデメリットとなります。

機会損失:本来得られるはずだった利益を失ってしまうこと。

プレミアムが限定的で少なめ

キャッシュ・セキュアード・プットの最大利益は、プット・オプションのプレミアム収益に限られます。

株価が大幅に上昇した場合でも、オプション売却によるプレミアム以上の利益を得ることはできません。そのため、株価が急騰した場合に得られるはずだった大きな利益を逃すことになります。

また、プットの売りはコール売りに比べてプレミアムが少なめであることが大半なので、大きな利益を求めることはできません。

株価下落時に大きな損失が出る可能性

キャッシュ・セキュアード・プットでは、株価が大幅に下落した場合に大きな損失が発生する可能性があります。

プットオプションが行使され、権利行使価格で株式を購入する義務が発生した場合、その際の株価が権利行使価格を大きく下回っていると損失が発生します。

特に、株価が大幅下落した場合には、プレミアム収益だけではこの損失を補うことができず、大きな損失が発生する可能性があるため注意が必要です。

キャッシュ・セキュアード・プットができる証券会社

 

キャッシュ・セキュアード・プットができるおすすめの証券会社はウィブル証券です。

キャッシュ・セキュアード・プットは、オプションの「売り」に対応している証券会社でないと実践することができません。

ウィブル証券では、2024年8月から米国株オプションの「売り」の取引が可能となっています。オプションの売りが可能となったことで取引の幅が広がり、キャッシュ・セキュアード・プットはもちろんカバードコール戦略など様々なオプション戦略を実践できます。

また、日本では個別株オプションの流動性が限りなく低く取引がし辛いため、日本株ではなく米国株でオプション取引をすることをおすすめします。

米国株オプションは、流動性が非常に高く、ウィブル証券での米国株オプション対象銘柄数は4300銘柄もあります。

ウィブル証券について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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まとめ

本記事のまとめです。

  • キャッシュセキュアードプット=プットの売り+株の購入代金の用意
  • 必ずプレミアム(現金)を受け取れる
  • 権利行使価格を下回ると権利行使価格で株を購入しなければならない
  • キャッシュ・セキュアード・プットは、運用方法を理解すれば危険ではない
  • キャッシュ・セキュアード・プットの実践におすすめの証券会社はウィブル証券

 

今回はキャッシュ・セキュアード・プットについて解説しました。

キャッシュ・セキュアード・プットは、初心者でも始めやすいオプション戦略なのでぜひ活用してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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