この記事を読んでいるあなたは、
- VIX指数って何?
- VIX指数のオプションとは?
- VIX指数のオプション取引するメリットは?
- VIX指数のオプションの取り扱い証券会社はどこ?
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「VIX指数とは何か、VIX指数のオプションを取引するメリット、取り扱い証券会社」などをお伝えしていきます。
VIX指数(恐怖指数)とは?
VIX指数(恐怖指数)とは、シカゴ・オプション取引所が算出しているもので、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを基にした指数です。
今後30日間の市場の変動性(ボラティリティ)を予測する指標であり、投資家が市場の将来に対してどれだけの不安を感じているかが反映されています。
市場リスクが高まり、投資家の不安が増すと、恐怖指数は上昇します。
逆に、市場のリスク許容度が高く、市場が安定している場合、恐怖指数は低下します。
ちなみに、VIX指数が上がると、為替市場では円や米ドル、スイスフランなど安全資産が買われる傾向にあります。
そのため、FXトレーダーの方もVIX指数を一つの指標として参考にして取引しています。
VIX指数の歴史
VIX指数は、「S&P100」に基づいたボラティリティ指数として1993年から提供が始まりました。
そして、2003年には改良され、「S&P500」に基づくより精度の高いVIX指数が提供されています。
過去に恐怖指数が大きく高まったタイミングとその数値は、高い順に以下の通りです。
- リーマンショック:89.53(2008年10月)
- 新型コロナウイルス:85.47(2020年3月)
- 中国経済失速懸念:53.29(2015年8月)
- 米国景気悪化懸念:50.30(2018年2月)
- ロシアデフォルト:49.53(1998年10月)
VIX指数が40を上回った場合は市場がパニックになっている証であり、上記はその最たる例です。
ロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年2月~3月にはVIX指数が30を超えることもありました。
しかし、局地的な戦争ではVIX指数は高くならない傾向にあり、戦争よりも経済危機の方がVIX指数が高くなることが多いです。
VIX指数の目安
VIX指数 | 市場の状態 |
---|---|
10~20未満 | 市場が落ち着いている |
20~ | 市場が少し不安定 |
30~ | 市場が警戒状態 |
40~ | 市場がパニック状態 |
このVIX指数が40を上回った場合は市場がパニックになっている証です。
ロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年2月~3月にはVIX指数が30を超えることもありました。
しかし、局地的な戦争ではVIX指数は高くならない傾向にあり、戦争よりも金融危機の方がVIX指数が高くなることが多いです。
VIX指数が20を超えることは比較的多いですが、30を超えるのは戦争や金融危機が起こったときぐらいでかなり異常事態です。
あくまでも目安として参考にしていただければ幸いです。
VIX指数のオプションとは?
VIX指数はVIX ボラティリティ指数(ティッカー:VIX)で取引されています。
このVIXを対象としたオプションの取引も行われており、それが「VIX指数のオプション取引」です。
オプション取引が分からない方はこちらの記事を参考にしてみてください。
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VIX指数の活用方法
金融危機時のヘッジ手段
VIX指数は、米国のS&P500のオプション取引のボラティリティと連動しており、S&P500 と「負の相関関係」があります。
つまり、株価とは逆の動きをします。
そのため、金融危機が起きた際にVIX指数を買っていれば、株価の下落リスクをヘッジすることが可能です。
また、VIX指数は戦争よりも金融危機時に高くなる傾向があるため、金融危機時の下落リスクのヘッジ手段としては特に相性が良いわけです。
一般的に、市場が不安定になりS&P500の変動性が高まると、VIX指数は上がります。逆に、市場が楽観的であれば、VIX指数は下がります。
株価下落・底打ちのシグナルとして使う
VIX指数は、世界の株価動向を確認する方法として有用です。
VIX指数が急上昇した場合は、基本的に株価が急落するため、株価下落シグナルとして利用できます。
ただし、VIX指数の急上昇が必ずしも市場の下落を示すものではなく、市場が上昇する場合もあります。
また、VIXが急上昇したときは、株価の底打ちを示していることが多く、株価底打ちのシグナルとしても使えます。
上の図を参考に見てみましょう。
【S&P500が底打ちしたかを確認する3つの条件】
- VIX指数が45(赤線)を超えている
- その後、VIX指数が35(緑線)まで下落している
- 直近の高値から35%以上下落している(緑線)
VIX指数オプションを取引する理由とメリット
ポジション費用を抑えることができる
前章では、下落リスクをヘッジする手段としてVIX指数を用いる方法をお伝えしました。しかし、下落リスクのヘッジのために保有株式と同量のVIXポジションを持つことは容易ではありません。
この問題は、VIX指数のオプション取引で解決できます。
VIX指数のオプション取引でコール買いをすることで、ポジション費用はプレミアムに限定され、安価にポジションを持つことが可能になります。
この図のように、現物では損失は無限に拡大していきますが、コール買いでは損失はプレミアム額に限定されています。
レバレッジ効果
オプション取引には現物と同じポジションを少額(プレミアムの支払い)で持てるというレバレッジ効果があります。
市場が安定しているとVIX指数オプションのプレミアムは安くなるので、戦争や金融危機を見越して満期日が長いオプションをコール買いしておくという戦略があります。
例えば、VIX指数が平常時(10~20)に「コール買い」した場合
- 運よく満期日までに戦争や金融危機が起きVIX指数が急騰すれば、莫大な利益が得られます。
- 満期日までににVIX指数の急騰がなく、取引に失敗しても損失はプレミアムに限定されます。
この取引を実際に行い莫大な利益を上げた「50セント」と呼ばれる投資家もいます。気になった方は、こちらの記事を見てみてください。
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VIX指数オプションを取り扱っている証券会社
VIX指数オプションを取り扱いがある証券会社は、米国株オプションに対応している証券会社に限られます。
米国株オプションに対応している日本の証券会社は以下の3社のみです。
ウィブル証券はキャンペーンも頻繁に実施しており、スマホアプリでも取引できるためおすすめです。
上級者の方には、取引ツールが充実しているサクソバンク証券もおすすめです。
こちらの記事を参考にしてみてください。
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日本にも「日経平均ボラティリティ・インデックス」と呼ばれる日本版VIXがあります。
日本版VIXは、日経平均先物のオプション価格から算出されています。
しかし、日本では個別株オプション(かぶオプ)市場の認知度が低く流動的ではありません。
日本取引所グループが公表しているかぶオプ対象銘柄にも日経平均ボラティリティ・インデックスは記載されていないので取引できないと考えられます。
まとめ
今回は、VIX指数を対象としたオプション取引について解説しました。
このトピックについて解説している記事がなかったので、参考になれば幸いです。
今は簡単に米国株オプション取引ができるようになっているので、VIX指数のオプション取引にもぜひ挑戦してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。