。この記事を読んでいるあなたは、
- かぶオプについて知りたい
- かぶオプを取り扱っている証券会社は?
- かぶオプの対象銘柄はどれぐらいある?
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「かぶオプを取り扱っている証券会社やかぶオプの対象銘柄」などをお伝えしていきます。
かぶオプとは
かぶオプとは、有価証券オプションの愛称で、日本の個別株を対象としたオプション取引のことです。一部ETFやREITの取扱もあります。
個別株オプションは1997年に取引が始めり、2011年には大手ネット証券数社が個人投資家に対する個別株オプションの提供を開始しました。
しかし、かぶオプの認知度は低く取引も低迷していたため、今現在かぶオプを取り扱っている証券会社は3社のみです。
【かぶオプの概要】
原資産 | 上場有価証券の一部銘柄 |
---|---|
取引単位 | 1単位(個別株の場合100株で1単位) |
限月取引 | 直近2限月とそれ以外の3月、6月、9月、12月のうち直近2限月 |
取引最終日 | 各限月の第2金曜日の前営業日 |
権利行使日 | 取引最終日 |
決済方法 |
|
後ほど、「かぶオプのデメリット」の項目で詳しく解説しますが、かぶオプの利用はあまりおすすめしません。
個別株オプションを取引してみたい方には米国株オプションをおすすめします。
米国株オプションについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
この記事を読んでいるあなたは、 米国株オプション取引って何? 米国株オプション取引のメリットは? どの証券会社で取引できるの? どうやって始めるの?やり方は?上記のように考えているかもしれません。[…]
かぶオプの取扱がある証券会社
かぶオプを現在取り扱っている証券会社は、SBI証券、光世証券、IB証券の3社のみです。他にもauカブコム証券で取扱いがありましたが現在ではかぶオプ事業から撤退しています。
日本取引所グループが公開している「かぶオプ取扱い証券会社」では、光世証券とIB証券しか挙げられていませんが、実際にはSBI証券でも取扱いがあるので注意が必要です。
以下では証券会社ごとに詳しく紹介していきます。
SBI証券の「かぶオプ」
SBI証券では『SBI株オプション』というサービス名でかぶオプを提供しています。
【手数料】無料
※当たり前ですがコール・プットの取引の場合は、オプションプレミアムは支払う必要があります。
SBI株オプションでは、4つの取引方法があります。
コール・プット
- コール:
【ターゲット価格を上回った場合】ターゲット価格と評価日の終値の差額を受け取ることができます(利益)。利益からプレミアムを引いた金額が実質的な利益。
【ターゲット価格を下回った場合】差額は受け取ることができません。損失はプレミアムに限定。 - プット:
【ターゲット価格を上回った場合】差額は受け取ることができません。損失はプレミアムに限定。
【ターゲット価格を下回った場合】ターゲット価格と評価日の終値の差額を受け取ることができます(利益)。利益からプレミアムを引いた金額が実質的な利益。
ターゲットバイ・ターゲットセル
- ターゲットバイ:オプション・プレミアムを受け取ることができます。
【権利行使価格を下回った場合】お客さまは権利行使価格で対象銘柄を購入する必要があります。
【利行使価格以上となった場合】プレミアムのみを受領。 - ターゲットセル:オプション・プレミアムを受け取ることができます。
【権利行使価格を上回った場合】お客さまは権利行使価格で対象銘柄を売却する必要があります。
【利行使価格以下となった場合】プレミアムのみを受領。
SBI株オプションについて詳しく知りたい方はこちら
この記事を読んでいるあなたは、 SBI株オプションってなに? SBI株オプションの評判はどうなの? オプション取引のメリット・デメリットは?上記のように考えているかもしれません。今回は、そんなあなたに向[…]
光世証券の「かぶオプ」
光世証券ではかぶオプを利用可能です。かぶオプの注文は光世証券のネット取引ツールの光世倶楽部から行います。
IB証券の「かぶオプ」
IB証券でもかぶオプが利用可能です。しかし、IB証券は外資系証券であるため、特定口座が使えないこと等の利便性に欠ける部分があるので、国内証券会社で取引した方が無難でしょう。
【手数料】1単位あたり99円
IB証券についてはこちらの記事を参考にどうぞ
かぶオプの対象銘柄一覧
かぶオプの対象銘柄は224銘柄で、個別株の他にもETFやREITの一部銘柄も対象となっています。
※2024年1月時点
かぶオプ対象銘柄(個別株)
かぶオプ対象の日本の個別株は196銘柄あります。大手株の大半が対象銘柄に選ばれているので、選択肢はかなり多いと言えます。
個別株の対象銘柄は以下の通りです。
銘柄コード1000番台
大成建設 大林組 清水建設 長谷工コーポレーション 鹿島建設 大東建託 大和ハウス工業 積水ハウス きんでん 日揮ホールディングス
銘柄コード2000番台
日清製粉グループ本 明治ホールディングスディー・エヌ・エーアサヒグループホールディングス キリンホールディングス 宝ホールディングス ローソン 双日 味の素 日本たばこ産業
銘柄コード3000番台
ZOZO セブン&アイ・ホールディングス 東レクラレ旭化成SUMCOグリー 王子ホールディングス日本製紙
銘柄コード4000番台
住友化学 イビデン 信越化学工業 三井化学 三菱ケミカルグループ 野村総合研究所 電通グループ花王 武田薬品工業 アステラス製薬 中外製薬 エーザイ 小野薬品工業 テルモ 第一三共 DIC オリエンタルランド フジ・メディア・ホールディングスLINE ヤフー トレンドマイクロ 日本オラクル 楽天グループ 富士フイルムホールディングス コニカミノルタ 資生堂
銘柄コー5000番台
ENEOSホールディングス ブリヂストン AGC 日本板硝子 日本電気硝子 太平洋セメント 日本碍子 日本製鉄 神戸製鋼所 JFEホールディングス 日本製鋼所 三井金属鉱業 三菱マテリアル 住友金属鉱山 古河電気工業 住友電気工業 フジクラ 東洋製罐グループホールディングス LIXIL
銘柄コード6000番台
リクルートホールディングス DMG森精機 日本郵政 SMC 小松製作所 住友重機械工業 日立建機 クボタ 千代田化工建設 ダイキン工業 セガサミーホールディングス 日本精工 NTN ミネベアミツミ 日立製作所 三菱電機 マブチモーター ニデック オムロン ジーエス・ユアサ コーポレーション 日本電気 富士通 沖電気工業 ルネサスエレクトロニクス セイコーエプソン パナソニック ホールディングス シャープ ソニーグループ TDK アルプスアルパイン ヒロセ電機 アドバンテスト キーエンス デンソー カシオ計算機 ファナック ローム 京セラ 太陽誘電 村田製作所 日東電工
銘柄コード7000番台
三菱重工業 川崎重工業 IHI かんぽ生命保険 ゆうちょ銀行 日産自動車 いすゞ自動車 トヨタ自動車 アイシン マツダ 本田技研工業 スズキ SUBARU ヤマハ発動機 ニコン オリンパス HOYA キヤノン リコー TOPPANホールディングス 大日本印刷 任天堂
銘柄コード8000番台
伊藤忠商事 丸紅 三井物産 東京エレクトロン 住友商事 三菱商事 ユニ・チャーム 丸井グループ クレディセゾン イオン 三菱UFJフィナンシャル・グループ りそなホールディングス 三井住友トラスト・ホールディングス 三井住友フィナンシャルグループ セブン銀行 みずほフィナンシャルグループ SBIホールディングス オリックス 大和証券グループ本社 野村ホールディングス SOMPOホールディングス MS&ADインシュアランスグループホールディングス 第一生命ホールディングス 東京海上ホールディングス T&Dホールディングス 三井不動産 三菱地所 住友不動産
銘柄コード9000番台
東急 東日本旅客鉄道 西日本旅客鉄道 東海旅客鉄道 ヤマトホールディングス 日本郵船 商船三井 川崎汽船 九州旅客鉄道 NIPPON EXPRESSホールディングス 日本航空 ANAホールディングス 三菱倉庫 日本テレビホールディングス 日本電信電話 KDDI ソフトバンク 東京電力ホールディングス 中部電力 関西電力 中国電力 東北電力 九州電力 電源開発 東京瓦斯 大阪瓦斯 NTTデータグループ セコム コナミグループ ヤマダホールディングス ファーストリテイリング ソフトバンクグループ
かぶオプ対象銘柄(ETF)
かぶオプ対象のETFは全13銘柄あります。対象銘柄は以下の通りです。
- NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信
- 上場インデックスファンドTOPIX
- NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信
- iFreeETF 日経225(年1回決算型)
- NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信
- NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信
- 上場インデックスファンド225
- NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信
- 純金上場信託(現物国内保管型)
- NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信
- INPEX
- NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信
- WTI原油価格連動型上場投信
かぶオプ対象銘柄(REIT)
かぶオプ対象のREITは全15銘柄あります。対象銘柄は以下の通りです。
- 野村不動産マスターファンド投資法人
- 産業ファンド投資法人
- アドバンス・レジデンス投資法人
- アクティビア・プロパティーズ投資法人
- 日本ビルファンド投資法人
- ジャパンリアルエステイト投資法人
- 日本都市ファンド投資法人
- オリックス不動産投資法人
- 日本プライムリアルティ投資法人
- 東急リアル・エステート投資法人
- 森トラストリート投資法人
- 日本ロジスティクスファンド投資法人
- KDX不動産投資法人
- 大和証券オフィス投資法人
- 大和ハウスリート投資法人
以上のかぶオプ対象銘柄は、日本取引所グループが公表している資料を参考に作成しています。ご自身で確認したい方はこちらをご覧ください。
かぶオプのメリット
かぶオプのメリットは3つあります。
リスクを限定でき利益は無限大
株価が上昇すると見込んでコールを買い、予想が外れた場合でも損失は支払ったプレミアムの額に限定できます。この図の場合、損失はプレミアムの50円に限定されます。
リスクヘッジができる
保有している現物株の値下がりのリスクをヘッジすることができます。リスクヘッジ費用はプレミアムのみです。
この図の場合、現物の保有と同時にプットを現物と同単位で買っているため下落リスクをヘッジすることができています。
少ない資金で大きい取引ができる
かぶオプの買い手はプレミアムの金額だけで取引でき、売り手は証拠金だけで取引を行うことができます。
現物であれば大金が必要な取引でも、かぶオプであれば買い手はプレミアムの金額だけで現物と同様の取引ができるので、現物株投資よりも少額での投資可能です。
例えば、1株3000円のトヨタ株で取引する場合
現物 | かぶオプ |
---|---|
トヨタの株価:3,000円 | トヨタのプレミアム:150円 |
3,000円×100株=30万円 | 150円×1単位(100株)=1.5万円 |
かぶオプのデメリット
かぶオプのデメリットは2つあります。
流動性が低い・取引量が少ない
日本の個別株オプション市場である「かぶオプ」は非常に市場が小さいため、流動性が著しく低く取引量も少ないです。
流動性が低いと取引が成立しないなど様々な問題が発生することが考えられ、現状かぶオプはまともに機能していない市場だと言っても過言ではありません。
それに対してアメリカでは個別株オプションの取引が活発でエヌビディアやアップルといった大型株は日々数百万枚の取引量があります。
米国株オプションは取引量そのものが日本とは桁違いに大きいため、個別株オプションを取引したい方は米国株オプションを選択することをおすすめします。
米国株オプションでは、日本株ADRの取扱いもあるため、ADRに対応している大企業の株であればドル建てで日本株を取引することも可能です。
米国株オプションについてはこちら
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個別株オプションの対象銘柄が少ない
個別株オプションの対象銘柄が少ないのもかぶオプのデメリットの一つです。
アメリカの個別株市場とかぶオプを比較してみましょう。
日本(かぶオプ):224銘柄
米国:3000銘柄以上
このように日本のかぶオプは、アメリカの1/10以下しか銘柄の取扱いがありません。日本では大企業の銘柄しか取扱いがありませんが、米国の個別株オプションでは、小型銘柄から大型銘柄まで大半をカバーしています。
■米国株オプションの取扱いがある証券会社
証券会社名 | 特徴 | 公式HP |
---|---|---|
ウィブル証券 |
| ウィブル証券公式 |
サクソバンク証券 |
| サクソバンク証券公式 |
IB証券 |
| IB証券公式 |
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まとめ
かぶオプの認知度は非常に低いですが、投資の選択肢を大きく広げてくれる魅力的な投資方法なの一つであることはわかっていただけたと思います。
そして反面、流動性の低さや市場規模の小ささが問題であり、活発な取引をしたいかたにはあまりおすすめできないことも知っていただけたと思います。
かぶオプに興味のある方は、問題点を理解した上でぜひかぶオプに挑戦してみてください。