この記事を読んでいるあなたは、
- オプション価格の決まり方は？
- オプション価格の計算方法は？
- オプション価格をリアルタイムで確認するには？
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「オプション価格の決まり方、計算方法、リアルタイムで確認する方法」などをお伝えしていきます。
オプション価格(プレミアム)とは
ここではオプション取引の基本については詳しく解説しないので、オプション取引が何かをよくわからない方はこちらを先にご覧ください。
この記事を読んでいるあなたは、 オプション取引って何？ オプション取引のメリット・デメリットは？ どの証券会社で取引できるの？上記のように考えているかもしれません。今回は、そんなあなたに向けて「オプショ[…]
オプション取引とは、将来売買できる権利を売買することを言いますが、権利の買い手は売り手に対してプレミアムを支払う必要があります。
今回は、このプレミアムの決まり方について解説しますが、その前にアウトオプザマネー、アットザマネー、インザマネーという３つの概念について見ていきましょう。
オプション価格(プレミアム)の決まり方
「本質的価値」と「時間的価値」の合計で決まります。
オプション価格 ＝ 本質的価値 ＋ 時間的価値
本質的価値とは、オプション(権利)が現時点で持っている価値のことです。例えば、株価が16,000円のとき、権利行使価格が15,000円のコールオプションには1,000円の本質的価値があります。この時のプレミアムが1,100円である場合、本質的価値とプレミアムの差額の100円が時間的価値となります。
ここで登場した時間的価値とは、将来の株価変動に対する期待、つまり、オプションが期限までに権利を獲得できるかもしれないという価値のことです。
時間的価値の分は、現時点では本質的価値を持ちませんが将来的に株価が値上がりした際の”期待”に対して与えられている価値というわけです。
オプション価格の変動要因
オプションの価値の変動にはいくつかの特徴があります。ここでは代表的の２つを紹介します。
【満期までの期間と時間的価値の関係】
オプション価値は、満期までの期間が長いほどに時間的価値が高くなります。満期までが長いということは、満期がくるまでに株価に大きな変動がありオプション価値が上昇する余地があると捉えられます。そのため、満期までの期間が長いと時間的価値が高くなるのです。
そして、満期がくるとオプションの時間的価値は必ずゼロになり、本質的価値のみとなります。
【ボラティリティと時間的価値の関係】
ボラティリティが高いほどに時間的価値は高くなります。変動の度合いが大きければ、株価が変動しオプション価値が向上する可能性も高いということなので、時間的価値が高くなる傾向にあります。
オプション取引のグリークス
オプション取引を行うにあたって、市場の様々な変化によってオプション価格がどう変わるのかを知ることが非常に重要です。
ここでは、グリークスと呼ばれるオプションのリスク指標を5つ紹介します。
グリークス①デルタ
デルタとは、原資産価格の変動がオプション価格に与える影響度を示すリスク指標。原資産価格が1単位変動したときに、オプション価格がいくら変動するのかを表します。
例えば、デルタが0.5であれば原資産が１動くとオプション価格は0.6(60%)動くということです。
グリークス②ガンマ
ガンマとは、原資産価格が変動したときに前述のデルタがどれだけ変化するかを表した指標。ガンマが0.002とは原資産が1動くとデルタがその変化分の0.002増加するということです。
グリークス③セータ
セータとは、残存期間の減少により、プレミアムがどれだけ減少するかを表した指標。
全てのオプションは、時間の経過(残存期間の減少)により、徐々に時間的価値を失っていきます。この時間の経過による1日あたりの減価額を示しているのがセータです。このように時間経過によってオプションの価値がなくなっていくことをタイムディケイと言います。
グリークス④ベガ
ベガとは、ボラティリティが変化したときに、オプション価格がどれだけ変化するかを示した指標。原資産価格が変動したときに前述のデルタがどれだけ変化するかを表した指標であるガンマと動きが似ていますが、原資産が動かなくてもボラティリティは様々な要素で変動するため全く同じ動きをするわけではありません。
グリークス⑤ロー
ローとは、金利の変化によるオプション価格がどう変化するかを示した指標です。今まで紹介したグリークスの中では、最も影響が低いもので、残存期間が短いオプションではほとんど考慮されていません。
グリークスで重要なのは①～④です。
オプション価格の計算式
オプション価格(プレミアム)を算出する有名なモデルとして、ブラックショールズ・モデルというものがあります。
ブラックショールズ・モデルとは、モデルを考案したフィシャー・ブラックとマイロン・ショールズの名前を取って名付けられたもので、オプション価格の算出方法として最も一般的でよく用いられています。
ブラックショールズ・モデルの公式は以下の通りです。
かなり難解でわかりにくいので、ブラックショールズ・モデルを使って簡単にオプション価格を計算できるツールを紹介します。
日本証券取引所グループでは、「オプション価格計算ツール」という便利なツールを提供しています。このツールを用いれば、日経225オプションやかぶオプ(有価証券オプション)などのオプション価格を簡単に計算することができます。
オプション価格をリアルタイムで確認する方法
日経225オプション|リアルタイムで確認
日経225オプションのオプション価格は、日本証券所グループが提供する「日経225オプション価格情報」から確認できます。数分のタイムラグがあるので、完全なリアルタイムではありませんがここから簡単に見ることができます。
個別の証券会社でオプション取引口座を開設済の方は、その証券会社の取引ツールから確認してもいいと思います。
日経225オプション価格情報 | 日本取引所グループ (qri.jp)
米国株オプション|リアルタイムで確認
米国株オプションのオプション価格は、「ウィブル証券」「moomoo証券」のアプリで確認できます。どちらも口座開設をしなくてもアプリの無料会員登録をすれば、米国株のオプション価格を確認することができます。
注意点として、moomoo証券では口座開設をしてもオプション取引ができません。
そのため、将来的に米国株オプション取引にも挑戦したいと考えている方は、ウィブル証券がおすすめです。
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まとめ
今回は、オプション価格の決まり方やリアルタイムで確認する方法などについて解説しました。
オプション価格の計算は難解ですが、ネット上で提供されているツールを使えば比較的簡単にオプション価格を計算できるので、このような便利ツールを活用してオプション取引に挑戦してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。